我々は,加速空洞内の電磁場の伝搬を計算している.内部は真空で,当面は電荷が無いも
のとして計算を進める.電荷がある場合については,次のステップで考えるつもりである.
さらに,取り扱うモードは
モードとする.これは,加速器空洞で使われ
るもっとも一般的なモードである.ほとんどの加速空洞は軸対称構造なので,このモードを円柱座標系
で解析することになる.一般的,電場は3個の成分
,磁場も3個の
成分
をもち,それぞれは位置
の関数である.しか
し,ここでは
モードが解析対象なので,
となる.さらに,残りの
は,位置の関数となり,
に依存しない.方向に一様なのである.
真空中で,電荷も電流もない場合のMaxwellの方程式は,
である.ここで,解くべきものは,式(4)と
(5)である.なぜ,最初の2つを無視してよいかはここでは述
べない.時間があるときに述べることにする.
FDTD法で計算すべき式は積分形で表す方が良い.これら,微分形の式をストークスの定理
を用いて,積分形に直すと
となる.
真空中の誘電率と透磁率の間には,
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の関係があることを忘れてはならない.ここで,は光速を表す.
また,これら電場の強さ
と束密度
,磁場の強さ
と磁束密度
には次の関係がある.
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著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年8月20日