ラプラス方程式は物理学の分野ではよく出て来る式である。
3変数の関数
の場合
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(1) |
をいう。これを
と書くことも多い。
この方程式に従う関数の例は、静電場、重力ポテンシャル、定常状態の温度分布
等がある。
今は、2次元の場合のラプラス方程式を考える。2次元のラプラス方程式は以下のようになる。
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(2) |
有限要素法ではこの微分方程式を変分形の方程式に直して計算していく。
次に示すラプラス方程式の変分形を、有限要素法で解く方法を導出する。
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(3) |
領域の中で、ラプラス方程式を解くときに、まず領域を三角形要素に分割する。
要素には番号がふられているものとして、番目の要素の領域は、
(便宜上)と表すものとする。
このときの、三角形の頂点にあたる節点の値を求めようとする。
この節点には番号がふられているものとし、節点のの値をとする。
節点でのの値
をすべて計算することにより、
領域全体にわたりの値を近似していく。
未知関数を近似するために、次のような一次関数の形状関数を導入する。
要素の頂点が、節点だったとするとき、形状関数
は、
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(4) |
のようになり、具体的な
を表すと、以下のようになる。
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(5) |
ここで、は節点の座標、は領域の面積である。
一つの領域の中の求める方程式は、次の形で近似される。
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(6) |
解くべき領域全体では、この方程式の足し合わせで近似される。
領域全体では以下のようになる。
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(7) |
この式の添え字の説明をする。
の意味は、要素番号の三角形領域が持っている一つ目の節点での、の値。
同様に、は、要素番号の三角形領域が持っている二つ目の節点での、の値。
また、
の意味は、要素番号の三角形領域が持っている一つ目の節点が
節点だったとすると、
は
と等価である。
このような形状関数を使い、の変分を計算していく。
汎関数を決定関数を使って表すと、次のようになる。
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(8) |
汎関数が、関数
になったので、
で偏微分していく。
ただし、が固定点(ディレクレ条件)だった場合は除く。
で偏微分した場合を計算していく。
この場合、変数としてを含む積分領域だけ抜き出して計算すればよい。
すなわち、以下のようになる。
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(9) |
ここでの、領域
は頂点に節点をもつ三角形領域である。
つまり、節点のどれか(節点
のどれか)は節点である
(節点も同様)。
さらに計算していくと以下のようになる。
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(10) |
ここで、
を計算すると、以下のようになる。
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(11) |
ここで、
であるとしている。
これをもとに、
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(12) |
となる。ここで、
のそれぞれにおいて、
3つのうちどれかは節点を示すものである。
さらに、積分の中には、変数としてが入っていないので、以下のようになる。
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(13) |
ここで、積分
はその領域の面積である。
これをとすると、
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(14) |
となる。
連立方程式は、
としたものを連立させる。
また、ディレクレ条件の場合はその点での値がわかっているので、とする。
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(15) |
ここで、ディレクレ条件ではない節点を、節点として、
ディレクレ条件の節点を、節点としている。
これを行列
の形で表すと、
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(16) |
これより、
までを求めなくてはいけないことが分かる。
ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 夏井拓也
Yamamoto Masashi
平成19年8月20日