Yamamoto's Laboratory
Z80
周辺回路
コンピューター Z80 周辺回路

8ビット CPU Z80周辺回路

Z80 を動作左折ために必要な周辺回路について,説明します..

目次


リセット回路

電源を投入した瞬間は,電圧が立ち上がっていないのでシステムは不安定です.電圧の立ち上がり時間は,装置によってまちまちでしょう.そこで,電源を投入してしばらくして,CPUの動作を開始しなくてはなりません.そのために,Z80 の reset 端子を機器が安定になるまで,Lowにします.その後,High にします.こうすることにより,CPU を安定に起動させます.もともと,この reset 端子は CPU をリセット,例えば PC を初期設定するためのものですが,立ち上げ時の不安定性を取り除くためにも使用できます.

例えば,図1のようなリセット回路が考えられます.この回路には,リセット IC である MITSUMI PST600 を使い,High になる時間にディレイをかけています.私は,PST600C (秋葉原 200円) を使いました.データシートによると,そのディレイタイム(tPLH)は, \begin{align*} \text{Dely Time(tPLH)}=C_L R_L\log_e\left[\cfrac{V_{CC}}{V_{CC}-(V_{S\,CPU}+0.2)}\right]+0.040\qquad\qquad\qquad\text{[msec]} \end{align*} です.ここで,RLは抵抗 [kΩ] で,CLはキャパシターの容量 [μF] です.電圧の単位は [V]です.VS CPUは CPU の閾値電圧です.Z80 の閾値電圧はよく分かりませんが,仮に 1 [V]とすると,図 1 の回路でのディレイタイムは 1.32 [msec]になります.ちょっと短いように思えますが,問題が生じたら考えることにします.

賢明な読者は,ディレイタイムの式からリセット IC のメリットが無いと感じるかもしれません.電源をONした瞬間の電源電圧が不安定なときに,この IC は役立ちます.データシートによると,電源電圧が 4 [V] 以下の時,その出力は 0.3 — 0.5 [V] と十分低いため,CPU にリセット信号が印可されることはありません.実際の測定結果を「電源電圧 (Vcc) が 5 [V]」と「電源電圧 (Vcc) が 3 [V]」に示します.3 [V] の時には出力が出ないことが分かるでしょう.

マニュアルのリセットスイッチも取り付けています.そのための抵抗 Rmは,RLの1/20以下にします(データシートより).1[kΩ]程度で良いでしょう.

Z80 Reset circuit
リセット回路の例 (PST600Cのピン番号)

クロック回路

コルピッツ発信回路を使う

CPUの動作タイミングを決めるクロック回路は,矩形波が出せればどんな回路でも良いのですが,一般的には図2に示す回路が使われています.コルピッツ発振器の出力をバッファーで受け,Dフリップフロップへ入れています.フリップフロップに入れることにより周波数は半分になりますが,デューティが50[%]のきれいな矩形波出力になります.このクロック回路の出力を Z80 の CLKに接続します.クロック周波数を上げたければ,ものとクリスタルを変更します.

Z80 Clock circuit
クロック回路の例 (コルピッツ発信回路)

発信器を使う

秋葉原に,クロック回路の部品を買いに行ったところ,最初の店には 1—2 [MHz] のクリスタル発信子の在庫が有りませんでした.そこで,底の店主が 1 [MHz] のパッケージになった水晶発信器を勧めてくれました.5 [V]を印可すると,1[MHz] の矩形波を出力するものです.コンパクトなパッケージに収められており,良い感じです.ブレッドボード上に回路を作り,その波形を測定しました.

Z80 Clock circuit
クロック回路の例 (水晶発振器)

ブレッドボードで試験

図4に示すブレッドボード上に周辺回路を作成し,その機能を確認しました.安いオシロスコープ (USBオシロスコープ DDS-140 バンド幅40MHz) を使ったので,観測された波形はそれなりでした.それでも,機能の確認はできました.

Z80 Peripherael corcuit on bread board.
周辺回路の動作を確認したブレッドボード

ページ作成情報

参考資料

  1. データシート「MITSUMI システムリセット用 Monolithic IC PST600」.

更新履歴

2014年 ページの新規作成
2015年08月13日 ひとまずページの完成


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