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参考文献処理
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LaTeX参考文献処理(BibTeX)文献データベースの作成と参照方法LaTeX では文献参照に BibTeX が使われます.その文献データベースの作成方法と参照方法について説明します. 目次はじめに論文や報告書などの論理が重んじられる文章では,「正確」かつ「分かりやすく」記述することが求められます.しばしば,これらの要求はトレードオフの関係になります.正確に書こうとすると,文書が長くなり分かり難くなります.そこで,様々な文書作成テクニックを使い,この相反する要求に答えます.そのひとつに「文献参照」があります.具体例は,論文や報告書の最後にまとめられている「参考文献」です.これを使うと,そこに記述されている詳細はこの文献を見てね —と意思表示ができます.WEBページのリンクのようなものです. LaTeX は,この文献参照がとても良く出来ています.文献データベース (テキストファイル) を作り,本文中でそれを呼び出すだけです.すると,そこに番号 (例:[1]) がふられ,文書の最後に参照文献のリストが書き出されます.短時間で報告書を作成することの多い,私にとっては無くてなならない機能です,「Word を使え」という人には,笑っちゃいますね. 文献データベース作成LaTeXでは,参考文献を示すために,しばしば bibtex が使われます.これを使うためには,データベースが必要になります.通常の文書ではさまざまな文献が参照されるので,bibtexでは文献の種類を示してデータベースを作成します.表1に,BibTeXで作成する文献データベースを示します.文献の種類に応じたデータ項目を書きます.記述をさけることができない必須項目と,記述しなくてもよい任意項目があります.
この表やいろいろものを参考に,文献データベースファイルを作成します.文献データベースは,以下のように記述します. @文献種類{ 文献参照名, author = "著者", title = "タイトル", publisher = "出版社", year = "出版年", volume = "巻", series = "シリーズ名" } ひとつのファイルに,複数のデータを記述可能です.ファイルが大きくなりすぎた場合には,カテゴリごとにファイルを分割することも可能です.文献データベースファイルは,bibという拡張子を付けて保存します.私が作成した文献データベース(reference.bib)を参考に載せます. 保管場所強く推奨TeX Live の場合,文献データベースファイル (*.bib) の保管場所は以下を強く推奨します.
一般事項文献データベースファイル (*.bib) は,pbibtex のサーチパスから決まります.サーチパスは,環境変数 BIBINPUTS で指定されます.この環境変数の値は, $ kpsewhich -var-value BIBINPUTS.pbibtex で調べることができます.私の環境変数 BIBINPUTS.pbibtex の値は,次のとおりです. .:{ /home/yamamoto/.texlive2015/texmf-config, /home/yamamoto/.texlive2015/texmf-var, /home/yamamoto/texmf, !!/usr/local/texlive/2015/texmf-config, !!/usr/local/texlive/2015/texmf-var, !!/usr/local/texlive/texmf-local, !!/usr/local/texlive/2015/texmf-dist }/{pbibtex,bibtex}/bib// 先頭に二重感嘆符 「!!」 があるディレクトリーは,デフォルトでは検索しません.後述する方法で,ファイル「ls-R」をアップデートすると,検索します.また,パスの最後が「//」で終わっているものは,再帰的にサブディレクトリーも検索対象になります. したがって,検索パスはカレントディレクトリーと以下の表のとおりになります.カレントディレクトリーは,ソースファイル(*.tex)のある場所です.再帰的に検索は行わないので,文献データベースをサブディレクトリーに入れる場合には,そのソースファイル(*.tex)へのカレントディレクトリーからのパスを記述する必要があります.
これらはユーザーのディレクトリーなので,複数のユーザーが使用しているPCで,同じ文献データベースを利用する場合は不向きです.この場合は,環境変数 BIBINPUTS が示すディレクトリー「/usr/local/texlive/texmf-local/bibtex/bib/」を使います.これは再帰的に検索されるので,サブディレクトリーを作ることもできます.環境変数 BIBINPUTS が示すいくつかのディレクトリー「/usr/local/texlive/2015/...」に保管することも可能ですが,それらの場所に保管することはお勧めしません.TeX Live のバージョンアップに伴い,検索パスからはずレスことになるからです. サーチしないディレクトリー指定がある(例:/usr/local/texlive/texmf-local/bibtex/bib)にファイルを置くこともできます.そこにファイルを保管した場合には,ルートになり,コマンド「mktexlsr」を実行します.理由は分かりませんが「$sudo mktexlsr」ではだめです. $ sudo su # mktexlsr 筆者の場合筆者の場合は,以下の場所に文献データベースファイル(*.bib)を保管しています.
LaTeX文章へ反映LaTeXの本文中で,参考文献として示したい場所に「\cite{文献参照名}」を書きます.そこに,括弧で囲まれて文献番号が書かれます.実体と参照番号が離れないように「~\cite{文献参照名}」とするのが作法のようです.そして,LaTeX文章中の参考文献のリストを載せたい場所に,以下のように書きます.通常は,文章の最後の方になります. \bibliographystyle{junsrt}
\bibliography{文献データベースファイル名(.bibはつけない)}
junsrt を指定することで,参考文献は引用順に並びます. また,次のようにカンマ区切りで,複数の文献データベースファイルを指定することも可能です.ただし,カンマの後に空白を入れることはできません. \bibliography{CatDB,DogDB,RabbitDB,MouseDB} ここで示した方法の他に,いろいろなオプションやテクニックがあります.気に入らない点があれば,自分で調べてみるのがよいでしょう. コンパイル例えば,「hoge.tex」という LaTeX の文書で文献データベースを使う場合について説明します.文献データのファイルは,LaTeX のソースの中では「\bibliography{文献データベースファイル名}」として取り込まれます,このような文書では,以下の手順により,文献データが反映された dvi ファイルを作ることができます.
面倒なことですが,「*.tex」は二回のコンパイルが必要になります. 様々なテクニックエントリーの呼び出し (usebib)usebib package を使うと,データベース (bib ファイル) からエントリーを呼び出すことができます.LaTeX 中に,「 プリアンブルTeX Live の場合は,インストール作業は不要です.usebib 使うには,プリアンブルに \usepackage{usebib} \bibinput{bibファイルへのパス(.bib無し)} を記述します.複数の bib ファイルがある場合は,「 具体的には「\bibinput{$TEXMFHOME/bibtex/bib/nmp}」のように書きます.これで,ファイル: nmp.bib を使うことができます.$TEXMFHOME は LaTeX の環境変数で,texmf のパスを示します. 本文文献のエントリーを書き出したい場所に以下を記述します. \usebibentry{文献参照名}{エントリー} ページ作成情報参考資料
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