3 定数の定義

以前から述べているように、プログラムは命令とデータから構成させれる。こ のうちデータを書き表すために、次から述べるDCが使われる。

3.1 10進定数

3.1.1 内容

DC:Define Constant

書式

ラベル欄	命令コード欄	オペランド欄
[label]	DC	n

• ラベルは、無くても良い。その場合は、データが格納されるアドレス は、前の行の続きである。ラベルが無いと、目的のデータへのアクセス が複雑になるので、通常は付ける。
• nは、10進数の整数である。
• 非実行文なので、フラグレジスタは変化しない(関係ない)。

役割は、10進数整数のデータを定義することである。CASLの場合、整数は16ビッ トで表されるため、その範囲は-32768〜32767までである。これを超えた場合、 その下位16ビットが機械語に変換される。

3.1.2 例

   AA  DC  100
   BB  DC  -3

3.2 16進定数

3.2.1 内容

書式

ラベル欄	命令コード欄	オペランド欄
[label]	DC	#h

• ラベルは、無くても良い。その場合は、データが格納されるアドレス は、前の行の続きである。ラベルが無いと、目的のデータへのアクセス が複雑になるので、通常は付ける。
• hは、4桁の16進数の正の整数である。
• 非実行文なので、フラグレジスタは変化しない(関係ない)。

この命令の役割は、16進数整数のデータを定義することである。CASLの場合、 整数は16ビットで表されるため、その範囲は#0000〜#FFFFまでである。

3.2.2 例

   CC  DC  #0027

3.3 文字定数

3.3.1 内容

書式

ラベル欄	命令コード欄	オペランド欄
[label]	DC	'文字列'

• ラベルは、無くても良い。その場合は、データが格納されるアドレス は、前の行の続きである。ラベルが無いと、目的のデータへのアクセス が複雑になるので、通常は付ける。
• 文字列は、JIS X 0201で決められた文字から構成する。
• 非実行文なので、フラグレジスタは変化しない(関係ない)。

この命令の役割は、文字列のデータを定義することである。CASLでは1文字を 16ビット(1ワード)で表現するが、JIS X 0201では8ビットで表現する。このこ とより、上位8ビットは0とし、下位8ビットで表現することになっている。以 前学習したとおりである。

アポストロフィ「'」をデータとして使いたい場合は、それを2つ続けて 「''」のように書く。そうすると、1ヶのアポストロフィがデータとして 定義される。

ラベルは、第一文字目のデータが格納されたアドレスを示す。

3.3.2 例

   DD  DC  'AT<&'

3.4 アドレス定数

3.4.1 内容

書式

ラベル欄	命令コード欄	オペランド欄
[label]	DC	ラベル名

• ラベルは、無くても良い。その場合は、データが格納されるアドレス は、前の行の続きである。ラベルが無いと、目的のデータへのアクセス が複雑になるので、通常は付ける。
• 非実行文なので、フラグレジスタは変化しない(関係ない)。

この命令により、記号番地であるラベル名をアドレスの絶対番地メモリーに格 納できる。指定されたラベル名の絶対番地がメモリーに格納される。

3.4.2 例

   FF  DC  GG
   GG  DC  2

3.5 複数の定数を記述

3.5.1 内容

書式

ラベル欄	命令コード欄	オペランド欄
[label]	DC	定数[,定数,定数,]

• カンマで区切って、いくつでも定数を書くことができる。

3.5.2 例

   HH  DC  10,20,'AB',#FFFF

ホームページ: Yamamoto's laboratory
著者: 山本昌志