実験等を通して得られる結果は離散的であるが、実際の現象は連続的なことが多い。この 離散的な値を用いて、測定点の間の値、ここでは電流と電圧の関係を求めるのが補間法の 役割である。ここで学習したラグランジュ補間もスプライン補間も、全てのグラフ上の測 定点を通る曲線の方程式を求めている。
2次元のグラフ上の点は、数学では座標の点として与えられる。以降の説明では、 電圧・電流などのように特定の問題にとらわれないよう、一般化した座標で話 を進める。
この性質を利用すると、個の点がある場合、次関数で補間できることが分かる。 ラグランジュ補間とは、まさにこのことそのものである。数学の授業で、ある3点 を通る2次関数 のを求めた ことがあると思うが、それと同じである。そこでは、それぞれのとの値を代入して、 連立方程式をつくりを求めたはずである。
コンピューターを用いて、個の点を通る次方程式を個の係数を連立方程式 を解くことにより求めることは可能である。しかし、最終目的の 次関数の値を求める と言う意味では不経済である。補間という目的からすると、関数を形成する係数なんか、 全く興味の対象外なのである。そこで、係数が分からなくても、次関数を示すものと して、ラグランジュ補間が使われる。
2次元座標上に個の点、 のラグランジュ補間は、
この式(10)を見ると、
(10)をもうちょっと格好良く書けば、
ラグランジュ補間の考え方は単純で、その計算も簡単である。しかし、補間の点数が増えてくると、ラグランジュの補間には問題が生じる。ラグランジュの補間では、補間の点数 が増えてくると大きな振動が発生して、もはや補間とは言えなくなる。ラグランジュの補 間には常にこの問題が付きまうので、データ点数が多い場合は使えなくなる。
補間をするデータは、先と同じように とする。そし て、区間 で補間をする関数をとする。この様子を 図1に示す。
これらの4個の未知数を決めるためには、個の方程式が必要である。そのために、 3次のスプライン補間に以下の条件を課すことにする。
以上の条件を課すと個の方程式が決まる。未知数は4個なので、2個方程式が不 足している。この不足を補うために、いろいろな条件が考えられるが、通常は両端 とでの2次導関数の値を0とする。すなわち、 である。これを自然スプラ イン(natural spline)と言う。自然スプライン以外には、両端の1次導関数の値を指定す るものもある。
これで全ての条件が決まった。あとは、この条件に満たす連立方程式を求めるだけである。