図
1.1のようなLCR直列共振回路に交流電圧Eを加えた
とき、回路に流れる電流
![$ I$](img6.png)
は
となり、その大きさは
![$\displaystyle \vert I\vert=\cfrac{E}{\sqrt{R^2+\left(\omega L -\cfrac{1}{\omega C}\right)^2}}$](img10.png) |
(1.2) |
とである。
いま、電流が最大に流れるように、交流電源の角振動数
を調整して、
とする。すなわち、
![$\displaystyle \omega_0 = \frac{1}{\sqrt{LC}}$](img13.png) |
(1.3) |
とする。
![$ \omega=2\pi f$](img14.png)
なので、周波数に直すと、
![$ f_0=1/(2\pi\sqrt{LC})$](img15.png)
である。このよ
うにすると、回路に流れる電流は、
![$\displaystyle I_0=\frac{E}{R}$](img16.png) |
(1.4) |
となる。最大の電流が流れるこの状態を共振と言う。丁度、電源の周波数と回路の固有振
動数が一致している状態となっている。図
1.1のよう
な回路を直列では直列共振という。そして、電源の電圧を一定にしてその周波数を変化さ
せると、図
1.2のように回路に流れる電流が変わる。
このような図を共振曲線という。
図から明らかなように、
の小さい回路では共振時の電流
は非常に大きくなるが、
共振周波数からずれると、それは急激に減少する。この共振曲線の形状の鋭さを測る物差
しとして
を定義し、これを共振の鋭さ(sharpness of resonance)と言う。
が
の
になる周波数を
、
として、
と定義する。
ここでは、周波数を一定にして、コンデンサーの容量を変化させた場合の電流を測定して、
Q値を求める。図
1.1の回路では、
![$\displaystyle \vert I\vert^2=\cfrac{E^2}{R^2+\left(\omega L -\cfrac{1}{\omega C}\right)^2}$](img29.png) |
(1.6) |
となる。ところで、共振時にはこの式の分母の括弧の中がゼロとなるので、
![$\displaystyle I_0^2=\frac{E^2}{R^2}$](img30.png) |
(1.7) |
である。これより、
ここで、
![$ C_0$](img35.png)
は共振時、
![$ C$](img36.png)
は非共振時のコンデンサーの容量で、
![$ \Delta C$](img37.png)
はその差で
ある。さらに、
![$ \omega^2 L C_0=1$](img38.png)
、
![$ 1/(\omega R C_0)=\omega L/R$](img39.png)
なので、
![$\displaystyle Q=\sqrt{\frac{I_0^2-\vert I\vert^2}{\vert I\vert^2}}\frac{C}{\Delta C}$](img40.png) |
(1.9) |
となる。ここで、
![$ \vert I\vert$](img20.png)
を図
1.3のように選ぶと、根
号の中が1になる。したがって、
となる。コンデンサーの容量を変化させて、図
1.3
を描くことにより、式
1.10を用いてQ値を求めることができる。
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成17年5月13日