この力と重力の大きさを比べてみよう。2つの電子間に働く力の比は
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全ての物質は正の陽子と負の電子電子との混合体で、この強い力で引き合い反発しあっ ている。しかしバランスは非常に完全に保たれているので、あなたが他の人の近くに立っ ても力を感じることは全くない。ほんのちょっとでもバランスの狂いがあれば、すぐに 分かるはずである。人体の中の電子が陽子より1パーセント多いとすると、あ なたがある人から腕の長さのところに立つとき、信じられない位強い力で反発するはず である。どの位の強さだろう。エンパイア・ステート・ビルを持ち上げるくらいだろう か。エベレストを持ち上げるくらいだろうか。それどころではない。反発力は地球全体 の重さを持ち上げるくらい強い。この非常に強い力により、物質全体は中性になる。そうでないと、物質はバラバラになってし まう。また、物質を電子や原子のオーダーで見ると、電荷の偏りがあり、そこではこのクー ロン力が働く。この強い力により、原子が集合して、固い物質が形作られるのである。
正電荷をもつ陽子と電荷の無い中性子が、クーロン力に抗して集合するのは、もう一つ別 の力が働くからである。この辺の話は、興味のある人は自分で勉強してください。
クーロンの法則について、次のことについて考察してみよう。
クーロンの法則の発見の歴史的経緯はおもしろい5。まず最初の登場人物は、ジョセフ・プリーストリーと、あのベン ジャミン・フランクリンである。プリーストリーは、フランクリンにに示唆されて実験を 行い、中空の物体を帯電させて、その内側では電気的な作用が無いことを発見した。重力 の場合との類推で、電気的な力が距離の逆2乗で伝わると実験結果の意味を考えた。これ と同じ原理で6、1772年にキャベンディッシュは巧妙な実験を行い、かな りの精度で逆2乗が成り立つことを発見した。それは、今で言うノーベル賞級の発見では あるが、彼はそれを公表しなかったのである。その発見の価値も知っていたにも関わらず である。ということで、物理学者中の変人ナンバーワンとしても良いだろう。最後に登場 するのがクーロンで、1785年にねじれ秤を使った実験により、力の逆2乗の法則を発見し て、発表した。そして、それ以降、クーロンの法則と呼ばれるようになった。