図
2の電荷1が電荷2に及ぼす力が、媒介が無くても伝
わると考えるのが遠隔作用である。この解釈は受け入れがたく、通常は使われない。ニュー
トンが万有引力の法則を発表したとき、それは遠隔作用で、なかなか受け入れがたかった
ようである。何もない真空を通過して、力が伝わることに人々は難色を示したのである。
日常、見たり感じたりする力は、何かの媒質が介在するものである。液体や固体、気体を
通して力は感じるものである。でも、当時は磁石による力は分かっていて、それは遠隔作
用に思える。人々はどのように考えていたのか興味がある
7。
気とか超能力とか言う人は、遠隔作用を支持しているように思えるが、いかがなものか。
図
2の電荷
が直接
に作用するのではない。
まず
は、その近くの空間の物理的な状態を変化させ、それ変化が次々と伝わり、
に達した時点で、それに影響を及ぼす。
は空間(場)に作用を及ぼし、
は
空間から作用を及ぼされるのである。これは、明らかに遠隔作用ではなく、近接作用と呼
ばれる。これが場の考え方である。
観測される結果が遠隔作用と同じであれば、ただの言い換えに過ぎない。遠隔作用と近接
作用の決定的に異なることがある。それは、作用が伝わる時間である。遠隔作用では瞬時
に影響が伝わるが、近接作用では有限の時間が必要である。観測の結果、影響が伝わる速
度は、光速度と同じである。
電荷を急激に変化させて、その影響が有限の時間で伝わることが分かっている。電波など
がその例で、人類はそれを利用しているのである。同じように質点を急激に変化させると
その波(重力波)が観測されると理論的に考えられている。しかし、前にも述べたとおり、
重力は非常に小さいのでその観測は大変難しく、まだ重力波のはっきりした証拠は見つかっ
ていない。
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
yamamoto masashi
平成17年5月14日