グリーンの定理は,1変数の関数の部分積分の公式に似ている.部分積分は,関数の積の微分
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(31) |
から導ける.両辺を積分し,順番を入れ替えると
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(32) |
となり,部分積分の公式が導かれた.
このように単純な方法で導かれる部分積分の公式は,本当に便利でいたるところに現れる.
このベクトル解析版が,次に述べるグリーンの定理である.
[グリーンの定理]
スカラー場
と
があるとする.この領域内の閉じた任意の部分を
とする.そして,この
の境界面を
とする.すると,以下が成り立つ.
これをグリーンの定理という
【証明】 1
ベクトル解析の恒等式
の両辺を体積積分する.左辺にはガウスの定理を用いると,
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(36) |
である.これで,式(33)が証明できた.
式(35)と,これのとを入れ替変えたの辺々を引き
算すると,
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(37) |
となる.同じように体積積分をしてガウスの定理を使うと,式(34)を得る
ことができる.
注意 1
グリーンの定理は,
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(38) |
として,
と書かれる場合もある.
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Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年7月5日