ここでは、図1のような、軸対称空洞内部の電磁場を求めるための汎
関数を示す。問題は定在波に限るものとする。
軸対称問題は、円柱座標系を使うのがセオリーである。この場合、空洞の形状は完全軸対
称である。定在波の場合、磁場は実数として取り扱うことができる。式
(26)では円柱座標系の回転の演算が表れ、それは
である。
一般には、これを、汎関数の式(26)に代入することになる。し
かし、通常の空洞では最も共振周波数の低いモードが重要になる。図
1の加速空洞の場合、最低次のTMモードが運転に使われる。これが、
運転モードとなり、真っ先に解析したいモードである。このモードは、場が
方向の依存性を持たず、磁場は
のみである。このモー
ドの磁場の回転は、
となる。この回転の結果を汎関数の式(26)に適用すると、
となる。
有限要素法を用いて、式(35)の第1変分がゼロとなる
が、軸対称空洞の磁場になる。この磁場から、電場を求めるためには、式
(4)を使う。これを、式(19)を
変形したように、時間の微分の項をに置き換えと、
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(36) |
となる。式(5)を使うと電場は
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(37) |
と求められる。ここで、円柱座標系の回転
を計算することになる。それは、式(33)のとおりで、ここでは
のみなので、先に示した式(34)の
ようになる。従って、電場は
となる。
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著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年8月20日