関数
![$ f(x)$](img23.png)
のゼロ点
![$ \alpha$](img26.png)
に近い近似値
![$ x_0$](img45.png)
から出発する。そして、関数
![$ f(x)$](img23.png)
上の点
![$ (x_0,f(x_0))$](img46.png)
での接線が、x軸と交わる点を次の近似解
![$ x_1$](img17.png)
とする。そして、次の接線がx軸と交わる点を次の近似解
![$ x_2$](img47.png)
とする。同じこ
とを繰り返して
![$ x_3, x_4,\cdots$](img48.png)
を求める(図
4)。こ
の計算結果の数列
![$ (x_0, x_2, x_3, x_4,\cdots)$](img49.png)
は初期値
![$ x_0$](img45.png)
が適当で
あれば、真の解
![$ \alpha$](img26.png)
に収束する。
まずは、この数列の漸化式を求める。関数
上の点
の接
線を引き、それとx軸と交点
である。まずは、
を求める
ことにする。点
を通り、傾きが
の直線の方
程式は、
![$\displaystyle y-f(x_i)=f^\prime(x_i)(x-x_i)$](img53.png) |
(8) |
である。
![$ y=0$](img54.png)
の時の
![$ x$](img12.png)
の値が
![$ x_{i+1}$](img51.png)
にである。
![$ x_{i+1}$](img51.png)
は、
となる。
![$ x_i$](img56.png)
から
![$ x_{i+1}$](img51.png)
計算できる。これをニュートン法の漸化式と言う。
この漸化式を用いれば、次々と近似解を求めることができる。
計算の終了は、
![$\displaystyle \left\vert\frac{x_{i+1}-x_i}{x_i}\right\vert<\varepsilon$](img57.png) |
(10) |
の条件を満たした場合とするのが一般的である。
![$ \varepsilon$](img38.png)
は計算精度を
決める定数で、非常に小さな値である。これ以外にも計算の終了を決めること
は可能である。必要に応じて、決めればよい。実際に式
(
2)を計算した結果を図
4に
示す。接線との交点が解に近づく様子がわかるであろう。
ニュートン法を使う上で必要な式は、式(9)のみで
ある。計算に必要な式は分かったが、数列がどのように真の解
に収束
するか考える。
と真値
の差の絶対値、ようするに誤差を
計算する。
を忘れないで、テイラー展開を用いて、計算を進める
と
となる。
![$ i+1$](img59.png)
番目の近似値は、
![$ i$](img60.png)
番目に比べて2乗で精度が良くなるのであ
る。これを、二次収束と言い、非常に早く解に収束する。例えば、
![$ 10^{-3}$](img61.png)
の精度で近似解が得られているとすると、もう一回式
(
9)を計算するだけで、
![$ 10^{-6}$](img62.png)
程度の精度で近似
解が得られるということである。一次収束の2分法よりも、収束が早いことが
分かる。
ニュートン法の特徴をまとめると次のようになる。
- 長所
- 初期値が適当ならば、収束が非常に早い(図
8)。
- 短所
- 初期値が悪いと、収束しない(図9)。収束
しない場合があるので、反復回数の上限を決めておく必要がある。
ニュートン法は複素数にも適用できる 。また、連立方程式にも容易に拡張で
きる。皆さんが学習してきた数は、整数
自然数
有理
数
無理数
複素数
ベクトル
行列
と拡張されてきた。しかし、どのような数であれ
演算規則は、非常に似ている。そのことから、実数で成り立つ方法は、複素
数や行列にも成り立つことが予想できる。このことからも、ニュートン法が
連立方程式や複素数に拡張できるような気にる。ここでの学習は、これ
以上踏み込まないことにするが、興味のある人は、各自、学習すべし。
図 4:
の実数解をニュートン法で計算し、解の収
束の様子を示している。初期値
から始まり、接線とx軸の交点からよ
り精度の高い回を求めている。
|
2分法同様、関数と計算を打ち切る条件はプログラム中に書くものとする。そ
うすると、図
5のようなニュートン法のフローチャー
トが考えられる。
ホームページ:
Yamamoto's laboratory著者:
山本昌志
Yamamoto Masashi
平成16年9月10日