6 割線法

6.1 計算方法

ニュートン法とよく似た方法である。ニュートン法の接線の代わりに、2点 $ (x_{i-1},\,f(x_{i-1}))$ $ (x_i,\,f(x_i))$を結ぶ直線(割線)を使う。この直線がx軸 と交わる点を、次の近似解$ x_{i+1}$とする。はさみうち法とは異なり、$ f(x_i)$の符号 は考慮しない。x軸と交わる交点は、

$\displaystyle x_{i+1}=x_i-f(x_i)\frac{x_i-x_{i-1}}{f(x_i)-f(x_{i-1})}$ (13)

である。この式は、ニュートン法の漸化式(9)とよく似ている。 初期値$ x_0,\,x_1$から始めて、漸化式(13)を使って、次々に $ x_2,\,x_3,\cdots$を計算するのである。 $ i\rightarrow\infty$で、 $ x_i\rightarrow\alpha$に収束する。

ニュートン法では1回の反復当たり $ f(x_i)$ $ f^\prime(x_i)$の2回の計算が必要なこと に対して、割線法で新たに計算するのは、$ f(x_i)$のみである。したがって、ニュートン 法よりも計算の手間が省け、計算速度が速くなる。実際にこの方法で式 (2)を計算した結果を図7に示す。交点 が解に近づくことが理解できるであろう。

フロチャートは、各自考えよ。

図 7: $ f(x)=x^3-3x^2+9x-8$の実数解を割線法で計算し、その解の収束 の様子を示している。初期値 $ x_{-2}=5.5,\,x_{-1}=5.0$から出発して、計 算を進めている。x軸との交点 $ x_0,\,x_1,\,x_2,\,x_3\cdots$が解析解 $ x=1.1659\cdots$に収束していく様子が分かる。
\includegraphics[keepaspectratio, scale=0.7]{figure/function_solution/SecantMethod.eps}



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著者: 山本昌志
Yamamoto Masashi
平成19年6月24日


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