Yamamoto's Laboratory
共同研究
KEK
研究内容 電磁気学 理論的なお話 スツルム・リウヴィル理論 (Strum-Liouville equation)

電磁気学スツルム・リウヴィル理論

スツルム・リウヴィル理論について,ちょっとまとめます.内容は,ジョージ・アルフケン著「基礎物理数学2 — 関数論 —」(講談社)の内容です.

目次


自己随伴演算子

自己随伴演算子で記述される微分方程式には,極めて重要で便利な性質があります.そして,この型の微分方程式は様々なところで現れます.

一般的な線形二階微分方程式の演算子は, \begin{align} \mathcal{L}u(x)=p(x)\ddiffB{2}{}{x}u(x)+r(x)\ddiffA{}{x}u(x)+q(x)u(x) \end{align} です.これは非常に一般的な演算子なので,特に便利というわけではありません.そこで,随伴演算子(エルミート演算子) \(\bar{\mathcal{L}}\)を考えます.それは, \begin{align} \bar{\mathcal{L}}u(x) &=\ddiffB{2}{}{x}[p(x)u(x)]-\ddiffA{}{x}[r(x)u(x)]+q(x)u(x)\nonumber\\ &=p(x)\ddiffB{2}{}{x}u(x)+(2p^\prime-r)\ddiffA{}{x}[r(x)u(x)]+q(x)u(x) \end{align} です.係数の関数が微分演算子の中に入ります.一次の項は,正負が反転します.これらの2つの演算子が等しい,\(\mathcal{L}=\bar{\mathcal{L}}\) 条件は, \begin{align} p^\prime(x)=r(x) \end{align} です.この条件が満たされると, \begin{align} \mathcal{L}u(x)&=\bar{\mathcal{L}}u(x)\nonumber\\ &=p(x)\ddiffB{2}{u(x)}{x}+p(x)^\prime\ddiffA{u(x)}{x}+q(x)u(x)\nonumber\\ &=\ddiffA{}{x}\left[p(x)\ddiffA{u(x)}{x}\right]+q(x)u(x) \end{align}

物理学,特に量子力学でよく使われる式に, \begin{align} \left\langle u\left | \mathcal{L} \right | u\right\rangle = \left\langle u\left | \mathcal{L} u\right . \right\rangle = \int_a^b u(x)\mathcal{L}u(x)\diff x \end{align}

境界条件

よく知られているように微分方程式の解を得るためには,境界条件が必要になります.しばしば使われる境界条件は,次の通りです.

  • コーシーの境界条件  境界で関数の値と放線微分の値を指定する.

自己随伴演算子

ページ作成情報

参考資料

  1. ジョージ・アルフケン, 関数論, 基礎物理数学2, 1903, 講談社

更新履歴

2015年12月04日 新規作成


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