Yamamoto's Laboratory
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コンピューター LaTeX 文書作成 数式 amsmath (関数/名前演算子)

LaTeX 数式amsmath (関数/名前演算子)

LaTeX で数式を記述する場合,amsmath.sty が便利です.このスタイルには,関数などの名前演算子(named operator)を書くためにたくさんのコマンドが用意されています.ここでは,そのコマンドと出力について説明します.

目次


数式の書体

数式を使った論文では,関数名はローマン体でタイプセットします.一方,変数名や物理量は,イタリック体です.このようにすると,イタリック体の 1 文字の数学変数と関数が視覚的に区別しやすくなります.具体例を図1に示します.図中の式 (1) は誤った書体で,関数名がイタリック体になっています.みっともない感じですね.式 (2) は関数がローマン体です.式が美しいばかりでなく,分かりやすいです.

図1: 関数の書体がイタリックの場合ローマンの場合

LaTeX の数式モードでは,文字列はイタリック体で表示されます.そのため,関数名などを書くときには何がしかの処理が必要です.amsmath.sty には,そのための便利な機能が備わっています.本ページでは,この機能について説明します.

関数などの名前演算子のコマンド

amsmath.sty には,通常使われる関数をローマン体で出力するコマンドがあります.以下の表の通りです.

\usepackage{amssymb, amsmath}の名前演算子(関数名など)
コマンド 出力 コマンド 出力 コマンド 出力
\arccos \arcsin \arctan
\arg \cos \cosh
\cot \coth \csc
\deg \det \dim
\exp \gcd \hom
\inf \injlim \ker
\lg \lim \liminf
\limsup \ln \log
\max \min \Pr
\projlim \sec \sin
\sinh \sup \tan
\tanh \varinjlim \varprojlim
\varliminf \varlimsup

関数名 (演算子名) を定義する

大抵の場合は,先に示したコマンドで関数名で十分です.これを用いることにより,ローマン体でタイプセットされます.しかし,新しい関数を定義して,それを使うこともあります.その場合は,amsmath パッケージの新しい関数名を定義するためのコマンド (\DeclareMathOperator) を使います. プリアンブルに次のように記述すると,新たにコマンドと関数が定義できます..

\DeclareMathOperator{\命令名}{関数名}

次に,新しい関数を定義し,それを使った具体例を示します.まずは,プリアンブルに,以下を記述します.

\DeclareMathOperator{\FIS}{FresnelIntegralsS}
\DeclareMathOperator{\FIC}{FresnelIntegralsC}

そして,本文中で使う場合は,以下のようにします.

\begin{align}
   \FIS(x)=\int_0^x\sin(t^2)dt\\
   \FIC(x)=\int_0^x\sin(t^2)dt 
\end{align}

結果は,以下のとおりです.

新しい関数を定義してタイプセット
図2: 新しい関数を定義してタイプセット (ソース)

ページ作成情報

参考資料

更新履歴

2015年01月31日 ページの新規作成
2015年08月19日 「関数 (演算子名) を定義する」を記述.


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