Yamamoto's Laboratory
数式の書き方
amsmath
 使い方

LaTeX 数式amsmath (使い方)

LaTeX で数式を記述する場合,amsmath.sty が便利です.ここでは,このスタイルファイルの使い方を説明します.

目次


アメリカ数学会パッケージ (amsmath) とは

amsmath はアメリカ数学会 (American Mathematical Society) によって開発された LaTeX の拡張パッケージです.amsmath は,数式の記述を容易にし,数式出力の品質を向上させるさまざまな機能を提供します.元々の LaTeX の数式よりも使いやすく綺麗な数式が書けます.TeX Live の場合,デフォルトでインストールされるので,誰でもすぐに使うことができます.数式を使う人には,お勧めです.

古くからの LaTeX ユーザーで多くの数式を書いている場合,元の LaTeX の数式環境にはよく知られている問題があります.amsmath では,その問題を解決できます.具体的には,以下のとおりです.

  • \sin と \lim に類似した新しい「演算子名」を定義することができます.適切な両側のスペースと,正しいフォントスタイルとサイズの自動選択が行われます.
  • 元の LaTeX の eqnarray 環境にはいくつかの問題点を解決します.
    • さまざまな種類の方程式を簡単に美しく配置することが困難です
    • 時に式と式番号が重なって出力されます.
    • 等号の周りの間隔は,方程式環境の通常の間隔と一致しません.
  • 総和記号や総乗記号の範囲を表す式として複数行の添え字を作成することができます.
  • 式番号を目的に合わせて,変更できます.
  • 選択した方程式のグループに対して (1.3a) や (1.3b),(1.3c) のような式番号を生成することができます.

予備知識

パッケージ

amsmathパッケージはいくつかの小さな補助パッケージと一緒に配布されます:

パッケージ 内容
amsmath プライマリパッケージで,表示される方程式やその他の数学的構造にさまざまな機能を提供します.
amstext ディスプレイ内のテキストのフラグメントをタイプセットするための \text コマンドを提供します.
amsopn \sin や \lim などの新しい「演算子名」を定義するための \DeclareMathOperator を提供します.
amsbsy 下位互換性のために,このパッケージは引き続き存在しますが,代わりに,LATEXに付属する新しいbmパッケージの使用をお勧めします.
amscd 単純な可換図のためのCD環境を提供します(斜めの矢印はサポートされていません).
amsxtra バージョン 1.1 を使用して作成されたドキュメントとの互換性のために,\fracwithdelims や \accentedsymbol などの特定の寄せ集めを提供します.

amsmath パッケージには,amstext と amsopn,amsbsy が組み込まれています.ただし,amscd および amsxtra の機能は,これらのパッケージを個別に呼び出すことによってのみ利用できます.

独立した mathtools パッケージ [The mathtools package] は,amsmath にいくつかの拡張機能を提供します. mathtoolsはamsmath を自動的にロードするため,mathtools を使用する場合は,amsmath を個別にロードする必要はありません.

使い方

具体的な使い方を説明します.

インストール

インストールは不要です.今時のパッケージには,インストール時に含まれます.

ソースファイル

amsmathパッケージを使うためには,プリアンブルに以下を記述します.

\usepackage{amssymb, amsmath}

ページ作成情報

参考資料

更新履歴

2015年01月31日 ページの新規作成
2020年07月25日 amsmath パッケージの説明の追加


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