Yamamoto's Laboratory
文書の設定
表紙
公開情報
古い情報

基本

ソースファイルの構造

LaTeX のソースは大きく分けて,プリアンブルと本文に分けることができます.プリアンブルは \documentclass と \begin{document}に挟まれた部分で,文書の様々な設定を行います.\begin{document} と \end{document} の間に本文を記述します.

\documentclass[オプション]{文書クラス}
 プリアンブル
	  
\begin{document}
      
		  本文
      
\end{document}
		

文字コード

LaTeX のソースの文字コードは,UTF-8 です.エディターが文字コードを間違える場合は,ドキュメントの先頭に文字コードを指定します.具体的には,以下のようにします.

% -*- coding:utf-8 -*-
\documentclass[オプション]{文書クラス}
	    プリアンブル
	  
\begin{document}
      
		  本文
      
\end{document}
		

文書クラス

クラス指定方法

LaTeXでは,文書クラス(ドキュメントクラス)とそのオプションにより,文書の大体の形を決めます.文書クラスにより文書の種類,オプションによりもう少し細かく文書の形を決めます.

文書クラスとオプションは,LaTeXのソースの最初に「 \documentclass[オプション]{文書クラス} 」と記述します.次のように記述すると,文書クラスが jarticle で,オプションのフォントサイズ 10pt,用紙サイズ A4 となります.

\documentclass[10pt,a4paper]{jarticle}

いろいろな文書クラス

LaTeXは作成する文書に応じて,さまざまなクラスが用意されている.その中でも,次に示す3つのクラスが最もよく使われます.通常,article → report → bookの順で,文書は長くなります.頭に j が付くと,日本語の横書用です.

LaTeXのクラス
クラス 説明
article
jarticle
article(記事,論説,論文)を書くときに使います.文書の論理構造は,次のようになります.
  • 部  \part{}
  • 節  \section{}
  • 小節  \subsection{}
  • 小々節  \subsubsection{}
  • 段落  \paragraph{}
  • 小段落  \paragraph{}
普通は,\section からはじめます.
report
jreport
report(報告書)を書くときに使います.article に章(chapter)が加わります.
  • 部  \part{}
  • 章  \chapter{}
  • 節  \section{}
  • 小節  \subsection{}
  • 小々節  \subsubsection{}
  • 段落  \paragraph{}
  • 小段落  \paragraph{}
普通は,\chapter からはじめます.
book
jbook
book(書籍)を書くときに使います.製本に向くように,奇数ページと偶数ページのレイアウトが異なります.
  • 部  \part{}
  • 章  \chapter{}
  • 節  \section{}
  • 小節  \subsection{}
  • 小々節  \subsubsection{}
  • 段落  \paragraph{}
  • 小段落  \paragraph{}

これらの他にも文書クラスは,あります.奥村先生の「LaTeX2ε」に簡単に説明しています.

オプション

文書クラスに加えて,オプションを用いることにより,文書のスタイルをよりきめ細かく指定できます.以下のようなオプションがあります.赤字がデフォルトで指定の必要はありません.

文書クラスのオプション
属性 オプション 説明
文字サイズ 10pt 本文を10ポイントで書きます.
11pt 本文を11ポイントで書きます.
12pt 本文を12ポイントで書きます.
用紙サイズ a4paper A4サイズ(210mm × 297mm)にします.
a5paper A5(148mm × 210mm)サイズにします.
b4paper B4(257mm × 364mm)サイズにします.
b5paper B5(和文:182mm × 257mm,英文:176mm × 250mm)サイズにします.
letterpaper レターサイズ(8.5in × 11in)にします.
legalpapaer リーガルサイズ(8.5in × 14in)にします.
exectivepaper エグゼクティブサイズ(7.25in × 10.5in)にします.
用紙方向 landscape 横向き(横長)にします.指定しなければ,縦向き.
偶数/奇数ページ oneside 偶数/奇数ページで同じレイアウト.articleとreportのデフォルト.
twoside 偶数/奇数ページで異なるレイアウト.bookのデフォルト.
段組 onecolumn 段組なし.
twocolumn 2段組にする.3段組以上は,multicol.styを使う.
タイトル/概要 titlepage 第1ページがタイトルと概要のみになります.(j)reportと(j)bookのデフォルトです.
notitlepage 第1ページの本文の上部にタイトルと概要が書かれます.(j)articleのデフォルトです.
式番号 leqno 式番号を左に書きます.指定しなければ,式番号は右に書きます.
式位置 fleqn 式を左から一定の位置に書く.プリアンブルに
\setlength{mathindent}{20mm}と書く.デフォルトは中央揃え.

他にも,いろいろとオプションがあります.奥村先生の「LaTeX2ε」が詳しいです.

プリアンブルでの指定

文書のさまざまな設定は,LaTeX のソースのプリアンブルに記述します.代表的な設定を以下に示します.

ページ設定

\pagestyle{empty}
ページ番号を表示しません.特定のページのページ番号は,そのページに「\thispagestyle{empty}」と記述します.

ページ作成情報

参考資料

このページを作成するにあたり,以下のサイトや書籍を参考にしました.私のこのページでは説明を省いている部分もありますので,より詳しい説明が必要な人は以下を見てください.

  1. 文系のマカーにも「使える」LaTeX文書クラスとプリアンブルは詳しいので,参考にすると良いでしょう.
  2. 奥村晴彦, LaTeX2ε 美文書作成入門, 改訂第3版, 技術評論社, ISBN4-7741-1940-7
  3. 滋賀大学の熊澤先生TeXのページには,いろいろと記述の仕方が詳しく書かれています.ここでは,特に,Part 4 クラスファイルを参考にしました.

更新履歴

2005年頃 新規作成
2010年04月11日 全面改定


no counter