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LaTeX図の挿入LaTeX の文書に図を挿入する方法を示します. 目次
今風の LaTeX 文書の図かつての LaTeX 文書に挿入する図は,EPS (Encapsulated PostScript) と決まっていました.多くの場合,最終的な LaTeX のドキュメントは PS (PostScript) で出力されたからです.時代は変わり,LaTeX の最終ドキュメントは PDF で出力されるようになりました.そのため,図も PDF が望ましいフォーマットになりました.PDF にできない図は,できるだけ PDF と親和性の高いフォーマットで保存します.もちろん,従来の EPS も LaTeX ドキュメントに挿入可能ですが,dvipdfmx で変換 (EPS → PDF)に時間が少しかかります. LaTeX 文書で挿入する図の推奨フォーマットは,次の通りです[1].
LaTeX 文書中に図を挿入する方法プリアンブルへの記述通常,最終的には dvi ファイルを dvipdfmx で pdf に変換することになります.dvipdmx を使うために,LaTeX のプリアンブルに以下を記述します. \usepackage[dvipdfmx]{graphicx} また,図を figgure 環境を記述した位置に,強制的に配置するためには,「here.sty」あるいは「float.sty」が必要です. 図を挿入図を LaTeX 文書に貼り付けるときは,figure 環境を使います. \begin{figure}[位置指定(Hやhbtpなど)] \centering \includegraphics[keepaspectratio, scale=スケール(普通は1.0)] {ファイルの指定(先頭に./を付けない)} \caption{図の説明} \label{ラベル名} \end{figure} 位置指定に「H」を記述すると,改行された後に figure 環境の場所に図が挿入されます.そのほかの小文字は,「h:here (figure 環境の場所)」,「b:bottom (ページ下部)」,「t:top (ページ上部)」,「p:page」の頭文字です,これらの場合,LaTeX が適当に位置調整を行いますが,位置指定を優先します.ただし,LaTeX が不適と判断した場合,図は他の場所に挿入されます. 「\centering」で中央揃えします.「\includegraphics[図のスタイルの指定]{フィル指定}」で図を配置します.図のスタイルは,次節の図の調整 (includegraphics のオプション)に示します.「\caption」と「\label」でキャプションと参照用のラベルを指定します. キャプション通常のキャプションは,「\caption{キャプション文字列}」と記述します.文字列が,図のキャプションとして出力されます.図目次にも,このキャプションの文字列が書かれます. キャプションの文字列が長い場合には図目次のタイトルが長くなり,品がないものになります.このような場合,「\caption[図目次タイトル]{キャプション文字列}」とします.すると,図目次には「図目次」のみが,キャプションには「キャプション文字列」のみが書かれます. 図を並べて挿入(複数の figure 環境)図を並べて表示させるときには,図の要素(図のファイルとキャプション)を minipage 環境でグループ化し,tabular 環境で配置します.すると,横一列,縦一列,マトリックス状に並べることができます.縦一列は,使う理由は無いと思いますが… 横に並べる場合1 行 2 列に並べる場合は,以下のようにします.tabular 環境の配置 {cc} で二つの minipage を水平方向に中心揃えで並べます.もちろん,「l: 左つめ」や「r: 右つめ」も使用できます.また,それぞれの minipae の垂直方向位置はは [t] により上揃えになります.ここでも,「c: 中央揃え」や「b: 下揃え」の設定も可能です. \begin{figure}[H] \begin{tabular}{cc} %---- 最初の図 --------------------------- \begin{minipage}[t]{0.45\hsize} \centering \includegraphics[keepaspectratio, scale=縮尺]{ファイル1} \caption{キャプション1} \label{ラベル1} \end{minipage} & %---- 2番目の図 -------------------------- \begin{minipage}[t]{0.45\hsize} \centering \includegraphics[keepaspectratio, scale=縮尺]{ファイル2} \caption{キャプション2} \label{ラベル2} \end{minipage} %---- 図はここまで ---------------------- \end{tabular} \end{figure} 縦/マトリックス状に並べる場合これまでの例から,図の要素(図のファイルとキャプション)は「\begin{minipage} 図のファイルとキャプション \end{minipage}」で構成されることが分かります.要するに,minipage 環境でグルーピングを行っています.これらの要素は,tabular 環境を使いマトリックス状に並べることができます.この要素を並べると,マトリックスの行方向(横:→)に並びます.次の行(縦:↓)に移る時には,「\end{minipage}\\」とします.「\\」が改行を表します. 図の調整 (includegraphics のオプション)オプションLaTeXに貼り付けるとのコマンド「includegraphics」にオプション指定で,図のサイズの変更や回転が可能です. \includegraphics[オプション]{ファイル名} 以下のオプションが有ります.コンマで区切ることにより,複数のオプションを同時に指定することが可能です.
ページオプションpdf のように複数のページ (multi pagages) のファイルの特定のページを貼り付けるためには,page オプション使います. \includegraphics[page=ページ(整数)]{ファイル名} 複数の図を挿入 (subcaption を使う)関連のある複数の図を並べる場合,subcaption が便利です.TeX Live では,「subcaption.sty」はインストールされているはずです.インストールされていない場合,LaTeX 様々な設定に従いインストールしてください. 使い方プリアンブルsubcaption を使うためには,プリアンブルに以下の記述が必要です. \usepackage[subrefformat=parens]{subcaption} 多くの場合,caption パッケージと一緒に使うので以下のようにします.なお,caption のオプションは筆者の設定なので,読者は適当に修正ください. \usepackage[hang,small,bf]{caption} \usepackage[subrefformat=parens]{subcaption} \captionsetup{compatibility=false} 三行目の設定は,caption でエラーが起きるときの対処です.詳細は,「エラーの対処」を参照. 本文subcaption は,関連のある複数の図を配置します.図の配置には,minipage 環境を使うと便利です.1行2列に図を配置する場合には,以下のようにします.キャプションは,「(a) キャプション」や「(b)キャプション」のように表示されます. \begin{figure}[図の場所(h, b, t, p, H)] \begin{minipage}[b]{幅(例:0.45\linewidth)} \centering \includegraphics[keepaspectratio, scale=縮尺]{ファイル1} \subcaption{キャプション1}\label{ラベル1} \end{minipage} \begin{minipage}[b]{0.45\linewidth} \centering \includegraphics[keepaspectratio, scale=縮尺]{ファイル2} \subcaption{キャプション2}\label{ラベル2} \end{minipage} \caption{キャプション}\label{ラベル} \end{figure} 複数の図は figure 環境でまとめられます.subcaption は,それぞれの図にキャプションを付けるだけです.こうすることにより,深さが1段の階層構造にすることができます.図番号は,\ref{ラベル1}あるいは\subref{ラベル1}で参照できます.前者は「1a」,後者は「a」と表示されます.後者を「(a)」と括弧付きにする場合には,オプション「subrefformat=parens」を指定します. 具体例subsection を使った例を示します.要素(図とキャプション)は,「\begin{minipage} 図とキャプション \end{minipage}」で作成します.これを並べると,マトリックスの行方向(横:→)に並びます.次の行(縦:↓)に移る時には,「\end{minipage}\\」とします.「\\」が改行を表します.
オプションsubcaption の初期値のオプションは,プリアンブルで指定します. \usepackage[オプション]{subcaption}
本文中では,以下の指定も可能です.この場合はこのコマンド以降でオプションが適用されますので,途中でオプションを変更する場合に使います. \usepackage{subcaption}
\captionsetup[sub]{オプション}
複数のオプションは,[abelfont=bf,list=true] のようにカンマ区切りで並べて記述します.オプションの詳細については,マニュアル「subcaption.pdf」に書かれています.
エラーの対処caption パッケージ (caption.sty) と一緒に使っていると,次のエラーが出ることがあります.caption パッケージを使っていないときも,このエラーが出ることがあるので注意が必要です. Package caption Warning: \caption will not be redefined since it's already (caption) redefined by a document class or package which is (caption) unknown to the caption package. See the caption package documentation for explanation. ! Package caption Error: The `subcaption' package does not work correctly (caption) in compatibility mode. See the caption package documentation for explanation. Type H <return> for immediate help. ... プリアンブルに以下を記述すると,このエラーは無くなります. \captionsetup{compatibility=false} 文字の回り込み (wrapfig を使う)図が小さい場合,図の周りに文字を回り込ませると,無駄なスペースが減り文書が引き締まります.LaTeX では,「wrapfig.sty」を使います.TX Live ではインストールされていると思いますが ,使用前には確認をしてください. 使い方使い方の詳細については,マニュアルを参照ください.ここでは,普通に使う分には十分な説明を行います. プリアンブルwrapfig を使うためには,プリアンブルに以下の記述が必要です. \usepackage{wrapfig}
本文文書中の回り込みは,図と文章から構成されます.図の周りに文章を回り込ませます.wripfig を使った回り込みの配置は,wrapfigure 環境で指定します.この環境の中で,回り込みの場所とサイズ,図のファイルパスを指定します.普通に使う wripfigure 環境の記述方法は,以下の通りです. \begin{wrapfigure}[行数]{場所}[オーバーハング幅]{図を配置する幅} \centering \includegraphics[keepaspectratio,width=図の幅]{図のファイルのパス} \caption{キャプション} \end{wrapfigure} 文章 文章 … ユーザーは,この構文の緑色の部分を目的に応じて記述します.そのほかの部分は,コピペします.wrapfigure 環境の設定パラメーターは以下の通りです.また,図3テキストと図の位置の関係を示します.
[注意] 回り込みで図を配置する場所のサイズは,引数の「行数×図を配置する幅」で決まります.これは場所の確保のみで,図のサイズは \includegraphics の引数で決定します.wrapfig が確保したサイズよりも大きな図を指定すると,はみ出た図になります.wrapfig は図のサイズの調整は行いません. /begin{wrapfigure} — /end{wrapfigure}内の文字列は,オーバーハングを超えることができません.これを超える文字列の場合,折り返されます.できるだけ避けるべきですが,図はオーバーハングを超えることは可能です. 具体例以下のリストは,wrpfig.sty を使った具体例です(wrapfigre 環境の部分のみ).図4に,実行結果を示します.図をクリックすると拡大表示します(IEはだめ).
図とキャプションの調整図図の調整のメモです.
キャプションキャプションの調整のメモです.
TeX Live 2015以前TeX Live 2015 以前のシステムで EPS 以外の図を取り込む場合,Bounding Box を指定する必要があります.TeX Live 2015 以降にアップグレードすることが望ましいですが,やむを得ない場合は Bouding Box 情報が書かれたファイル(*.xbb)を作成します.例えば,「sample.jpg」の xbb ファイルを作成するコマンドは次の通りです. $ extractbb sample.jpg Windows bitmap(*.bmp)をconvertコマンドで,pngに変換して,extractbbを使いbouding box譲歩が書かれたファイル(*.xbb)を作成することもできます. ページ作成情報参考資料
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