Yamamoto's Laboratory
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ページの寸法

ページパラメーター

LaTeX 文書の各ページは,ヘッダーと本文領域,フッター,傍注から構成されます.印刷ペーパー内のそれぞれの位置関係は,配置パラーメーターにより決まります.図1に,ページ内の配置を決めるパラメーターを示します.

これらのページ寸法パラメーターは,プリアンブルに「\setlength{寸法パラメーター}{値}」を記述することで変更可能です.たとえば,「\setlength{\headsep}{10pt}」のようにします.

印刷紙の上側と左側には,1インチの余白があります.この余白を1インチ以下にするためには,「\topmargin」と「\oddsidemargin」,「\evensidemargin」に負の寸法を設定します.

図1: LaTeX のページ内の各種寸法を決めるパラメーター

ページパラメーターの変更

図1に示したページパラメーターは,変更可能です.プリアンブルで,以下のように記述します.

\setlength{ページパラメーター}{}

例えば,\setlength{\textwidth}{150mm}のようにです.

余白の変更

余白の設定は,プリアンブルで以下のように設定します.

\usepackage[top=25truemm,bottom=25truemm,left=25truemm,right=25truemm]{geometry}

ドキュメントの途中で変更する場合は,次のようにします.

\newgeometry{top=5truemm,bottom=5truemm,left=15truemm,right=5truemm}

ページの一部を横置き

通常,LaTeXの文書は縦置き(portrait)です.「lscape.sty」を使うと,その文書の一部を横置き(landscape)にできます.この使い方は単純で,まずはプリアンブルに以下を記述します.

\usepackage{lscape}

そして,横置きにしたいページを \begin{landscape}\end{landscape} で囲みます.

\begin{landscape}

      文書の内容を書く(この部分が横置き).

\end{landscape}

ただし,ページ番号を含むヘッダーやフッターは縦置きのままです.本文のみが横置きになります.

途中でページサイズを変更

今時のドキュメントのサイズは,A4です.大抵の場合,全てのページはA4サイズで書かれます.しかし,技術報告書の場合,途中に他のサイズの異なるページ —大抵の場合は A3— を挿入したいことがあります,ここでは,ドキュメントの途中で,出力ページのサイズを変更する方法を示します.「bxpapersize.sty」を使います.

使い方

準備

bxpapersize.sty を使うためには,プリアンブルに,以下を記述するだけです.

\usepackage{bxpapersize}

注意 古い LaTeX の場合,「bxpapersize.sty」がインストールされていないです.例えば,TeX Live 2014 以前です.その場合は,CTAN から「bxpapersize.sty」と「ifptex.sty」をインストールします.最も簡単な方法は,LaTeX のソースと同じディレクトリーにこれらの二つのファイルを保存することです.

ページサイズの設定

出力サイズは,本文中のコマンド \bxpapersizesetup[ <key>=<value>>, ...] で設定します.

\bxpapersizesetup のキー (key) と値 (value).
キー (key) 値 (value) 動作
active true 設定をアクティブ (動作) にします.
false 設定をでぃアクティブ (停止) にします.
size real 出力は \paperwidth/height で指定された用紙サイズとになります.ただし,\stockwidth/height がある場合を除きます.
real* 出力は \paperwidth/height で指定された用紙サイズとになります.\stockwidth/height の指定がある場合もです.
{<width>,<height>} 出力は指定された幅と高さになります.
例: size={420mm, 297mm}
<width>*<height> {<width>,<height>}の代替形式です.パッケージオプションリストで括弧が許されない場合に使います.
例: size=420mm*297mm
<papersize-name> ペーパーサイズ: a0paper — a6paper, b0paper--b6paper, c0paper--c6paper, b0j--b6j, ansiapaper--ansiepaper, letterpaper, legalpaper, executivepaper, screen
例: size=a3paper
landscape/truedimen <papersize-name> と組み合わせて使用します.geometry パッケージと同じ挙動です.
box TeX box ボックスのサイズです(?).これは上級ユーザー向け.

具体例

ここでは,ページサイズが途中で変化する出力の例を示します.最初は A4,次は A3,そして元の A4 に戻ります.以下の図2 — 図4ようにです.

図2: A4 ページ

図3: A3 ページ

図4: A4 ページ

この LaTeX のソースは,以下のとおりです.2行目で bxpapersize.sty を読み込みます.最初のページの出力は A4 です.18行目で出力を A3 の横に変更します.29行目で,元の A4 に戻します.

\documentclass[10pt,a4paper,dvipdfmx]{jarticle}
\usepackage{bxpapersize}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage{here}
%===========================================================
\begin{document}
% ---- A4 のページ ----
ウィキペディアによると,
\begin{quote}
 1919年8月、W.O.はベントレー・モーターズをロンドンのクリックルウッドに設立。その
 後、1924年-1930年にル・マン24時間レースで5回の優勝を飾るなどモータースポー
 ツで名を上げ、高性能スポーツカーメーカーとして世界の富裕層に好んで使用され
 た。しかしその翌年の1931年にロールス・ロイスに買収され、レース活動が封印された。 
\end{quote}
です.
% ---- A3 のページ ----
\newpage
\papersizesetup{size=a3paper,landscape}
%
\begin{figure}[H]  % A3 の PDF を挿入する
 \centering
 \includegraphics[keepaspectratio, scale=0.78]{figure/Bentley.pdf}
 \caption{A3の図 (ベントレー)}
 \label{fig:Bentley}
\end{figure}
%
% ---- A4 のページ ----
\newpage
\papersizesetup{size=real}
このドキュメントの用紙サイズは,A4 です.そして,途中に A3 サイズを挿入しています.
これを可能にするには,「bxpapersize.sty」を使います.
\end{document}

注意

bxpapersize.sty を使うにあたり,いくつかの注意点が有ります.

  • ページサイズを変更しても,文字の行幅 (\linewidth) が変わらない.変更は可能と思われますが,筆者はその方法がわからない.
  • 図や表は,大きなものが使える.ページを大きくした場合,大きな図や表の表示が可能.
  • 図面を貼り付ける場合は,余白を調整すると良い.
    • プリアンブル: \usepackage{geometry}
    • 本文中の余白変更: \newgeometry{top=5mm,bottom=5mm,left=15mm,right=5mm}

付録

appendix のページを開始するためには,以下のようにします.

\newpage
\appendix
\renewcommand{\appendixname}{付録}

ページ作成情報

参考資料

  1. 文書の横置き(landscape)については,LightStone社の「ランドスケープ」に分かりやすい説明があります.

更新履歴

2014年06月29日 ページの新規作成
2020年08月16日 途中でページサイズを変更」を追加.


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